奈良県の<信貴山(しぎさん)朝護孫寺(ちょうごそんじ)>を見たあとのことです。
法隆寺へ立ち寄ろうと坂道を下ってきました。
狭い道で結構勾配のきつい坂でした。
この坂の途中でマンホールを見つけたのです。
<なにが何でも撮影したい>という思いと、
<止まれない>という状況が、先ほどから胃を締め付けます。
眼(まなこ)を皿のようにして、ほんの少しの空間を求める僕の脳が
「ここなら何とかなる」・・・と判断を下したのです。
ところが、止まっては見たがドアが開けられません。
前方からバスが目の前に迫っていました。
後方は、何台かの乗用車が、僕の車を追い越せなくて列を繋げていたのです。
「いい加減にしろ」・・・と後方の車から罵声が聞えるようでした。
もう恥ずかしげも無くというか
「ごめんなさい」・・・と心の中で唱えながら、
バスと前後の車が通り過ぎるのを辛抱強く車内で待つしかなかったのです。
止まるところを探すのに全ての神経を使って、前後の交通の流れまで気が回っていなかったのです。
汗顔の思いで撮ったのが、このマンホールの蓋です。
マンホールを撮って気分が落ちついたら、
すぐ道の反対側に、僕を迎え入れてくれたに違いないビル<信貴山の>があることに気付いたのです。
止まる前に確認できていたら
「ちょっとごめんね」・・と、お宅へ入れてもらったのに。
そうすりゃあ
「こんな冷や汗を流さなくても良かった」
・・・かな・?
・・・と後の祭りでした・・・