2012.7.26日 午前9:40分、ウオーキングの途中で出会った、川の中のワンチャン捕り物劇です。
堀留川の橋の上に人だかりが出来ていました。
「鯉でも捕まえてるのケー」・・・
と言いながら近づいてみたら、なんと川の中ほどに一匹犬が居るではないか。

「おーい、何してるダー」・と犬に呼びかけたが返事はない・・・当然。
隣の人が「熱いで水浴びだらよ」
別の人が「落ちたらしいぜ」
また別の人が「何処から落ちただ」
野次馬はこんな会話を楽しんでいるけれど、事態はそう楽観も出来ないらしい。
「水浴びなんかじゃないよう」

「早く助けてくれよ・・・」
「ばか、そっちへ行っちゃあ駄目だ・・・」

「こっちへ来いって言うのが解からんだらなー」
「反対から追わなきゃ駄目だ」
「ドンドン逃げちゃうぞー」
「あれは役所の人じゃないのか」
「そうだ、お役人様だ」

「飼い主が頼んだのかな」
「そうじゃないかな」
「ほっとけ、ほっとけ、勝手に岸え上がるさ」
皆想像しているだけで、真相を聞きだして手を貸すという者はいない。
お役人さまの一人が胸まであるゴム長を履いて遂に入川した。
捕獲作戦開始だ。

「ドンドン逃げちゃうぞ」
「反対から行ったほうが良いぞ」
「ほっとけ、ほっとけ」
この期に及んでまだ橋の上は賑やかである。
遂に捕まえた。

首輪に手を食い込ませるようにして、半ば吊り上げるように曳きづって歩き始めた。
「やった、やった」橋の上から無責任な応援である。
「キャン・キャン・キャン・・・」犬は抵抗した。
でも、たぶん体裁が悪いと感じてパフォーマンスしているのかも知れない。
それが証拠に、まもなく観念して泣くのを止めた。
ついに、観念したか。

首輪を引っ張られておとなしく水の中を泳ぐような姿勢で引っ張られている。
「そっちへ回ってくれ」

救出作業終息へ最後の手抜かりのないように、引き上げる場所を顎で示しながら、陸上の係りに指示する。
「よかった、よかった」

見物応援者は皆安堵した。
「お疲れさーん」

ゴム長の捕獲戦闘員は無地帰還した。
捕獲網から出す前に、臨時の紐を首輪につけて逃げられないようにしました。

「この頃じゃ、犬も恵まれてるな」
「水浴びしてお役人に助けてもらえるだもんな」
「おら、年金暮らしで水浴びなんか出来ないもんな」・・・と一言残して立ち去った人も居た。
・・・日中の捕り物劇でした・・・
《おーじ》は事件記者じゃあないので、真相を究明するべく取材をしないまま帰宅しました。
・・・ちょっと残念
・・・まあ、良いか
・・・どっちでも良いか
・・・熱射病にならなんだ、だけでも儲けもんだあ・・・