僕は5月12日に発見されました。
特に日付が重要と言うわけではありませんが、僕の兄弟がここ2~3日で結構見つけてもらっているので記録したまでです。
僕の家族の話を、生まれたての僕が出来るのは、人間世界ではたぶんありえない事です。
でも僕らは、家族のDNAが刷り込まれて生まれるので、生まれた瞬間でも何十年も昔の話ができるのです。
この点が人間社会と違うところです。
とにかく、野草の中にひっそりと根を下ろしたのが昨年秋でした。
ほとんどの場合雑草と一緒に抜かれたり、《ひろさん》や狸や猫が平気で踏みつけるので、枯死しちゃうことが多いのです。
今回は《ひろさん》が雑草を丁寧に取り除いて、芽を出したばかりの僕を見つけてくれました。
私もそうです。
<掘り出された兄弟>
僕を見つけてくれたとき、同じように掘り出された僕の兄弟です。
<身体検査>
こうやって掘り出されると移植前の身体検査があります。
毎年と言うわけではないのですけど、気ままな《ひろさん》の目に触れることの出来た兄弟だけが生存していることは確かなことです。
安全なところへ引越しさせてくれました。
ここで2~3年「根を張って雑草に負けない力を付けよ」・と言う《ひろさん》の心遣いです。
<親です>
この木が僕たち兄弟の親です。
画面右側の1mほどの立ってる枯れ木は、5~6年前枯れて、《ひろさん》が切り倒した親の兄弟です。
中央に横たわっているのは、その時切り落とされた幹です。
「俺たちはいつこのようになるか予測がつかない、だから皆頑張って根を張れ」・・とご先祖様が自らの姿を晒すことで、僕たちを激励してくれているのだ・と兄さん達が言いました。
僕たちが芽を出すと同じ頃、親は来年の準備を始めていました。
このピンクの可愛い奴が、秋には種として周囲に飛んでいくのです。
そして運がよければ5月ごろ芽を出して、僕の弟になります。
現在僕の家族は親を含めて58本で、もしかしたら今が最盛期かも・・・
今年の兄弟が、どれだけ残って成長するかによってまた違ってきますけど・・・
次回は成長した兄たちを紹介します。