飛騨古川町の<白壁土蔵街>を見たくて計画した旅行でしたが、いきなり前回紹介した黄色いお蔵にめぐり合っちゃったため、少し出端をくじかれたような気分になっていました。ところが町の中を歩くうちに、町の重みが少しずつ身体に沁み込んできたのでした。
南北に対しておよそ45度振れて走っているJR高山本線の飛騨古川駅や、そのすぐ近くの飛騨市役所から南400Mほどのところに、鉄道に平行して流れている宮川があります。
さらにその宮川に荒城川が水平に合流しているところがあります。
この二つの川と鉄道に挟まれたエリアの中に、白壁土蔵街がありました。
これは、建ちの高い屋台収納の為のお蔵。
扉まで漆喰で塗りこめられている上に、これも置き屋根形式で、常に通風ができています。
圧巻はこの白壁のお蔵の連続でした。
この蔵をとりわけ引き立てているのが、豊かに流れる疎水と整備された散策道と緑の香りだと言うことは容易に理解できることでしょう。
荒城川から引き込まれて宮川に流れているのか、はたまたその逆かは判りませんが、旅人は勿論、ここの住人たちの心の癒される場所だと言うことが良く分かりました。
動く水に、大人も子供も虜にされるのは、時を隔てても変わらない魅力がある・・・と言うことでしょうか、親子らしい二人が疎水に心を許している姿がとても素敵でした。
疎水に<群れる鯉も、この景観から欠くことが出来ない演者の一人>・・と、世阿弥なら言うのかも知れません。